大腸がん検診

このページは、国のがん対策における重要な情報を提供する国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービスの手引きを基に、大腸がん検診について、分かりやすくご案内します。

1. 大腸がん検診を受ける前に知っておくこと

大腸がんは罹患する人(かかる人)が増加しており、わが国のがんによる死亡原因の上位に位置しています。国が推奨している大腸がん検診(便潜血検査)は「死亡率を減少させることが科学的に証明された」有効な検診です。早期発見、治療で大切な命を守るために、40歳以上の方は毎年、繰り返し検診を受診し、「要精密検査(便潜血検査陽性)」という結果を受け取った場合には必ず精密検査を受けるようにしてください。
すべての検診には「不利益」があります。がんは発生してから一定の大きさになるまでは発見できませんし、検査では見つけにくいがんもありますので、すべてのがん検診で見つかるわけではありません。また、がんでなくても「要精密検査」と判定されることもあります。
がん検診の利益(がんで亡くなることを防ぐ)と不利益のバランスの観点から、こちらにある受診年齢、受診間隔、検査項目を守りましょう。
詳細はこちらをご覧ください。
がん検診について:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)

2. 大腸がん検診の流れ

ステップ 内容
検診申し込み・問診
  • 検診申し込み
  • 症状(※)があれば報告

※血便、腹痛、便の性状や回数の変化など

検査
  • 便潜血検査(ご家庭で2日分の便を採取)
検査結果 便潜血陽性(大腸がんの疑いあり)

  • 必ず精密検査を受けてください
  • 精密検査(全大腸内視鏡検査など)
    • 大腸がん/ポリープ → 治療
    • ポリープ(大腸がんなしと診断) → 状態により経過観察または治療

※ポリープが見つかった場合、状態(大きさや形態)によって治療を行うこともあります。小さいポリープなどは治療を行わず、次回検診で経過をみる場合もあります。


便潜血陰性(大腸がんの疑いなし)

  • 精密検査不要
  • 1年後の検診

3. 便潜血検査

便に混じった血液を検出する検査です。ご家庭で2日分の便を採取します。がんやポリープなどの大腸疾患があると大腸内に出血することがあり、その血液を検出することが目的です。(通常は微量で、目には見えません)

4. 「要精密検査」の結果なら必ず精密検査を受診

大腸がんがあっても症状が出ないことはよくあります。「症状がないから大丈夫」などと自己判断せず、必ず精密検査を受けてください。また、便潜血検査が毎回陽性になるわけではないので、もう一度便潜血検査をするのは良くありません。一度陽性の反応が出たら、必ず精密検査を受けてください。
精密検査の第一選択は全大腸内視鏡検査です。

全大腸内視鏡検査

下剤で大腸を空にした後に、肛門から内視鏡を挿入して直腸から盲腸までの全部位を観察し、がんやポリープなどがないか調べます。必要に応じて組織を採取し悪性かどうか診断します。

大腸のX線検査(大腸内視鏡との併用法)

大腸全体を内視鏡で観察することが困難な場合には、内視鏡が届かない奥の大腸をX線検査で調べます。下剤で大腸を空にした後に、肛門からバリウムを注入し、空気で大腸をふくらませて、大腸全体のX線写真を色々な方面から撮影します。

5. 継続受診の重要性と症状がある場合の対応

40歳になってから、1年に1回、便潜血検査を繰り返し受けることで、大腸がんで亡くなることを防ぐことができます。
大腸がんの中には急速に進行するがんもあります。早期発見のために必ず毎年、繰り返し検診を受けてください。血便、腹痛、便の性状や回数が変化した、などの症状が続く場合には次の検診を待たずに医療機関を受診してください。

6. 大腸がんについて

わが国では罹患する人が増加しており、がんによる死亡原因の上位に位置するがんです。
大腸がん検診で早期に発見して治療することにより、大腸がんで亡くなることを防ぐことができます。検診は自覚症状がないうちに受けることが大事。 大腸がん検診は40歳になったら毎年、便潜血検査を繰り返し受けてください。ただし、血便、腹痛、便の性状や回数が変化したなどの症状がある場合は、次の検診を待たずに医療機関を受診してください。
大腸がん検診には利益(大腸がんで亡くなることを防ぐ)と不利益(偽陰性、偽陽性など)があります。
偽陰性とは実際にはがんがあるのに見つけられないこと、偽陽性とは実際にはがんでないのに「要精密検査」と判定されることです。利益が不利益を上回るように受けることが大事です。
こちらでご案内した検診方法(受診年齢、受診間隔、検査項目)は、検診の利益が不利益を上回ることが科学的に認められています。
大腸がん検診で「要精密検査」となった場合は大腸がんの疑いがありますので、必ず精密検査を受けてください。
精密検査の第一選択は全大腸内視鏡検査です。全大腸内視鏡検査が困難な時は、大腸内視鏡検査と注腸X線検査を組み合わせた検査などを行う場合もあります。

7. さらに詳しい情報について

「大腸がん」「がん検診」などのがんの情報についてもっと詳しく知りたい方に、国立がん研究センターのがん情報サービスは、わかりやすく確かな情報をお届けしています。
詳細はこちらをご覧ください。

8. 市区町村の住民検診を受けられた方へ

がん検診の精度管理のため、精密検査の結果は市区町村へ報告されます。また最初に受診した医療機関と異なる医療機関で精密検査を受けた場合は、最初に受診した医療機関にも後日精密検査結果が共有されます。

9. 出典

発行:国立がん研究センターがん対策研究所 2023年12月
協力:厚生労働行政推進調査事業費補助金「検診効果の最大化に資する職域を加えた新たながん検診精度管理手法に関する研究」班
国立がん研究センター研究開発費「働く世代におけるがん検診の適切な情報提供に関する研究」班