このページは、国のがん対策における重要な情報を提供する国立研究開発法人国立がん研究センター がん情報サービスの手引きを基に、
子宮頸がん(HPV)検診について、分かりやすくご案内します。
1. 子宮頸がん検診(HPV検査単独法)を受ける前に知っておくこと
HPV検査単独法による子宮頸がん検診は「子宮頸がんの罹患率を減少させることが科学的に証明された」有効な検診として国が推奨しています。早期発見、治療で大切な命を守るために、30~60歳の女性は5年に1度、繰り返しHPV検査単独法による子宮頸がん検診を受診し、「要確定精検」「要追跡精検(検査)」という結果を受け取った場合には必ずこちらに記載した該当する検査を受けるようにしてください。
すべての検診には「不利益」があります。がんは発生してから一定の大きさになるまでは発見できませんし、検査では見つけにくいがんもありますので、すべてのがんや前がん病変が見つかるわけではありません。がんや前がん病変でなくても「要追跡精検」や「要確定精検」と判定されることはあります。また、HPV(子宮頸がんを引き起こすウイルス)が陽性であっても自然に消失することもありますし、前がん病変の中には放置しても治癒してしまうものも多いため、結果的に不必要な検査や治療を受けなければならない場合もあります。さらに、検査によって出血などが起こることがあります。
子宮頸がん検診の利益(子宮頸がんにかかることを防ぐ)と不利益のバランスの観点から、こちらにある受診年齢、受診間隔、検診結果にそった次の検査の受診を守りましょう。子宮頸がん検診は、子宮頸部の前がん病変と子宮頸がんの発見を目的としています。その他の疾患の発見は目的としていません。
詳細はこちらをご覧ください。
がん検診について:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)
2. 子宮頸がん検診の流れ
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ステップ |
内容 |
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| 受付 |
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| 問診 |
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| 検査 |
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| 検査結果 | HPV陰性(精密検査不要)
HPV陽性(要精密検査)
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3. 検査の詳しい説明
気になる症状がある場合
月経(生理)以外に出血がある、閉経したのに出血がある、月経が不規則など、気になる症状がある場合は問診の際に、医師に必ずお伝えください。不正出血が疑われる症状がある場合は子宮頸がん検診を待たず、すぐに婦人科を受診してください。
検診が受けられないかもしれない方
現在婦人科で治療中や経過観察中の方は、がん検診を受けられない場合がありますので、主治医にご相談ください。また、性交経験が一度もない方はHPVの感染の可能性も子宮頸がんにかかる可能性も低いので、利益は大きくありません。
子宮頸部の細胞採取(HPV検査)
子宮頸部(子宮の入り口)を、先にブラシのついた専用の器具で擦って細胞を取り、HPV(子宮頸がんを引き起こすウイルス)の有無を調べる検査です。
月経(生理)中は避けて検査を受けてください。
4. 「要精検」となった場合の各検査について
トリアージ精検(細胞診)
HPV検査のために採取した細胞の残りを使って、がん細胞など異常な細胞がないかを顕微鏡で調べる検査です。この検査のために再度医療機関を受診する必要はありません。
確定精検はコルポスコープ下の組織診
トリアージ精検(細胞診)で異常が発見されたら、コルポスコープ(腟拡大鏡)を使って子宮頸部を詳しく観察します。異常な部位が見つかれば、組織を一部採取してがんや前がん病変がないかを診断します。
追跡精検(検査)は1年後のHPV検査
要追跡精検者は、検診の時点では子宮頸がんや前がん病変が発症している可能性は低いのですが、HPV陽性が継続すると発症の可能性が高くなりますので、5年待たずに、1年後に検診の枠組みでHPV検査を受けてください。
5. 継続受診の重要性と症状がある場合の対応
30~60歳、5年に1回、HPV検査を繰り返し受けることで、子宮頸がんにかかることを防ぐことができます。
HPV検査での子宮頸がん検診は、受けすぎると不利益が大きくなりますので、必ず5年に1度、繰り返しの受診を守ってください。また、5年以上検診間隔が空いてしまうと子宮頸がんを防ぐ効果が下がってしまいますので、推奨された年齢と間隔を守りましょう。
6. 子宮頸がんについて
わが国では女性のがんの中でも、かかる人が多く、特に30~50歳代で多いがんです。 HPV検査単独法による子宮頸がん検診は、HPV(子宮頸がんを引き起こすウイルス)に感染している方を見つけて細胞診を行い、がんや前がん病変を見つけることにより、子宮頸がんの罹患(かかること)を防ぐことができます。検診は自覚症状がないうちに受けることが大事です。
HPV検査単独法による子宮頸がん検診は、30~60歳の女性が5年に1度、繰り返し受ける検査です。ただし、月経(生理)以外に出血がある、閉経したのに出血がある、月経が不規則などの症状がある場合は、子宮体がんなどほかの病気のこともあります。次の検診を待たずに医療機関を受診してください。
HPV検査単独法による子宮頸がん検診には、利益(子宮頸がんにかかることを防ぐ)と不利益(偽陰性、偽陽性など)があります。偽陰性とは、がんや何段階かある前がん病変のうち、がんに近い段階の病変があるのに見つけられないこと、偽陽性とは、これらの病変がない、またはこれらの病変が発生しないのに「要追跡精検(検査)」や「要確定精検」と判定されることです。こちらでご案内した検診方法(受診年齢、受診間隔)は、検診の利益が不利益を上回ることが科学的に認められています。
HPV検査単独法による子宮頸がん検診で「要追跡精検(検査)」または「要確定精検」となった場合は、がんまたは前がん病変の疑いがあるので、必ず該当する精密検査を受けてください。
「追跡精検(検査)」は、検診の1年後に検診と同じようにHPV検査を行います。「確定精検」は、直ちに専門医療機関でコルポスコープ下の組織診を行います。
7. さらに詳しい情報について
「子宮頸がん」「がん検診」などのがんの情報についてもっと詳しく知りたい方に、国立がん研究センターのがん情報サービスは、わかりやすく確かな情報をお届けされています。
詳細はこちらをご覧ください。
8. 市区町村の住民検診を受けられた方へ
がん検診の精度管理のため、精密検査の結果は市区町村へ報告されます。また最初に受診した医療機関と異なる医療機関で精密検査を受けた場合は、最初に受診した医療機関にも後日精密検査結果が共有されます。
9. 出典
発行:国立がん研究センターがん対策研究所 2024年9月
協力:厚生労働科学研究費補助金「子宮頸がん検診におけるHPV検査導入に向けた実際の運用と課題の検討のための研究」班